痛みのパラダイムシフト(第1回目コンテンツ)ATSUSHI TAMADA

あなたは今だに17世紀の痛みのミカタしていませんか?

第1回目のテーマは「痛みのパラダイムシフト」です。多くの方々は「不快な痛み」でお困りで我々の治療院にお越しになります。では、痛みとは一体なんでしょう?時間と共に自然と改善していく痛みがある一方で、何か月と治らない痛みもあります。ケガによる痛みなどは原因がはっきりしているので、治療しやすいですが、損傷もなく、病院では原因が分からないと言われるような痛みはどこが痛みの現場なのでしょうか?そして最近では痛みの原因は「脳」にあるとも言われるようになりました。「心理的ストレス」が痛みの原因であるとも。損傷による痛みとストレスによる痛みとは同じ「痛み」ですが、何が違うのでしょうか?


セミナー前半部は「痛みの概念図の変化」についてお話します。17世紀にはじまるデカルトによる痛みのミカタから、痛みの信号をそのまま脳へ伝えるのではなく、脊髄後角にて痛みを装飾するという痛みのミカタ。さらには痛みは単なる侵害刺激の「入力」だけでなく脳内からの「出力」であるという新しい痛みのミカタへと変わってきました。

『痛みのミカタ』は1つの決まりきった方法論ではありません。それは患者さんそれぞれに異なるものであり、決まりきったテクニックでは応用できないからです。

まずは『痛みの全体像』を幅広く知り、臨床において個人個人がまさに哲学していくものであり、治療家と患者さんとで作り上げていくものだと思います。


セミナー後半部では『痛みとは何か』を神経生理学的な視点でお伝えします。

「痛み」を認知するまでの流れを神経生理学的に分けると、「静止状態」「興奮」「伝導」「伝達」「モジュレーション(調整)」「認知」の6つのカテゴリーに分けられます。第1回目では「静止状態」と「興奮」についてお話します。侵害刺激が加わった場合、神経は興奮しますがそれは一瞬の出来事で通常また静止状態に戻ります。もし興奮しっぱなしの場合、痛覚神経であれば常に痛みの信号が出続けて痛覚過敏になりますし、運動神経であれば、常に筋肉が緊張して硬くなってしまいます。そうならない為に静止状態を保つ仕組みがあるのです。その仕組みと興奮のしくみを理解することで炎症など急性期の痛みや抗炎症剤の作用機序などが理解することが出来ます。

患者さんに『痛み止めを飲み続けていた方がいいですか?』と聞かれたときどうしますか?

当然お医者さんの指示に従うことが前提ですが、明らかに作用機序にあっていない場合は病院の先生に相談するようお伝えしましょう。生理学はつまらないかもしれませんが臨床で必ず役立ちます。ぜひ一緒に学びましょう!!

痛みのミカタ

ジャンルを超えて痛みの本質を追求する 「痛みの哲学セミナー」