痛みの認知(第1回コンテンツ)ATSUSHI TAMADA 2019年ベーシック講座
あなたは今だに17世紀の痛みのミカタしていませんか?
第1回目のテーマは「痛みの認知」です。認知とはどのようにモノゴトを捉えているのかということです。
あなたはどのような「メガネ」で患者さんの痛みを見ていますか?
この認知が土台になって痛みを評価し、 その評価に基づいて痛みに対してアプローチしていくわけですから、この痛みをどのように認知しているかは とても重要なのです。
セミナー前半部は痛みの多面性を理解するために「痛みの定義」「痛みの3つの側面」「痛みの概念の変化」についてお話します。
17世紀にはじまるデカルトによる痛みのミカタから、痛みの信号をそのまま脳へ伝えるのではなく、脊髄後角にて痛みを装飾するという痛みのミカタ。
さらには痛みは単なる侵害刺激の「入力」だけでなく脳内からの「出力」であるという新しい痛みのミカタへと変わってきました。
『痛みのミカタ』は1つの決まりきった方法論ではありません。
それは患者さんそれぞれに異なる痛みであり、決まりきったテクニックでは対応できないからです。 痛みの多面性を理解することで1つの偏ったミカタでは対応できなかった複雑な慢性痛においても症状を好転させるきっかけを見いだせることでしょう。
セミナー後半部では『痛みとは何か』を神経生理学的な視点でお伝えします。
「痛み」を認知するまでの流れを神経生理学的に分けると、「静止状態」「興奮」「伝導」「伝達」「モジュレーション(調整)」「認知」の6つのカテゴリーに分けられます。
第1回目では「静止状態」と「興奮」についてお話します。侵害刺激が加わった場合、神経は興奮しますがそれは一瞬の出来事で通常また静止状態に戻ります。
もし興奮しっぱなしの場合、痛覚神経であれば常に痛みの信号が出続けて痛覚過敏になりますし、運動神経であれば、常に筋肉が緊張して硬くなってしまいます。
そうならない為に静止状態を保つ仕組みがあるのです。その仕組みと興奮のしくみを理解することで炎症など急性期の痛みや抗炎症剤の作用機序などが理解することが出来ます。
患者さんに『痛み止めを飲み続けていた方がいいですか?』と聞かれたときどうしますか?
当然お医者さんの指示に従うことが前提ですが、明らかに作用機序にあっていない場合は病院の先生に相談するようお伝えしましょう。
生理学はつまらないかもしれませんが臨床で必ず役立ちます。
ぜひ一緒に『痛みの世界』を探究していきましょう!!
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