慢性痛患者に対する催眠療法


『学際的痛みセンターにおける慢性痛患者に対する催眠療法』pain research vol31 2017  

催眠って聞くとやっぱ怪しっ!!て思われる方も多いのかもしれませんが、愛知医科大の痛みセンターでは、慢性痛に対して催眠を使った治療の研究をされています。

怪しいものではありません。 

ただし、全ての痛みに効果があるわけではなく、適応となるかの痛みの評価が必要になります。

 また、適応な痛みでも、患者さん側が催眠に対してどういう認知をしているのか、また治療を受けることで良くなるという期待の有る無しにより効果も違いが出てくることでしょう。 

治療家にも痛みのミカタのパラダイムシフトが必要でしょう。

 痛みを単に侵害刺激の入力として捉えるのではなく、過去の記憶や体験や情動からの入力から、脳内で統合された結果、出力としての痛みと考えるのであれば、催眠療法もまたとても有効な治療方法でしょう。

 今日の患者さん 初診来院時に比べるとだいぶ良くなっている状態でしたが、常に下肢痛があり、施術により良くなって、ぶり返しての繰り返しでした。

お盆休みに久し振りにご実家に帰省したところ、痛みを殆ど感じなかったとのこと。

そして、こちらに帰ってきた途端にいつものように下肢に痛みが出現(;_;) 

そこで痛くなかったご実家での記憶を引き出しておいてリラクゼーションしたところ自発痛(うつ伏せ時)、動作痛(前屈時の股関節痛)の消失  

今後も緊張を引き起こす背景を患者さんと深めていく必要はありますが、イメージが痛みを減少させることを理解体験して頂くことはとても大切なことです。

痛みのミカタ

ジャンルを超えて痛みの本質を追求する 「痛みの哲学セミナー」