「原因がわからない痛み」ってそれって...
皆さん、ためしてガッテンはご覧になりましたか?
あ~梅酒ソーダを飲みながら語り合いたい!!(笑)
思う所はうみかぜBLOGで書きたいと思いますが、やはりTVだけでは、伝わり方次第では誤解を招きますね。。。
「実は痛みとはあなたの頭の中にあるものなのです」
「脳の活動が痛みの強さを決めていると言ってよいでしょう」
たしかにそうです。痛みは脳の中で感じていることだから。
しかし、「原因がないのに痛い」という痛みは全体的な痛みの中では少ないのではないでしょうか?
たしかに痛みの概念や痛みの側面、痛みの分類を踏まえて痛みをミテみると、明らかな原因がなさそうなのに痛いと訴える患者さんもおられます。
つまり侵害刺激も、神経障害性の刺激もない痛みということになります。
しかしですよ、「原因がわからない痛み」ってそれって、病院での痛みの見方でしょう?
MRIで異常なし。それをもって腰痛の原因は不明って。。
筋肉の痛みしかり、ほとんどの痛みは少なからず侵害受容性疼痛に分類できます。
そしてそこに、末梢・中枢感作が入っているのか、番組で出ていた男性の腰痛患者さんが言っておられたように、『歩けなくなったらどうしよう。負の悪循環。焦り』これらのように痛みの破局化思考が強い方は痛みの側面の1つである「認知的な痛み(cognitive pain)」も混ざっている可能性もあります。
このように痛みとは「脳」のみという一つの側面で語るべきものではなく、また痛みの分類も明確に境界線を引くことはできないものなのです。
また「痛みが和らぐ」とは痛みの神経生理学の視点から見てどういったことなのか?
側坐核を活性化させることでどのようなことが体内で起こり、鎮痛につながるのか?
そこの理解が深まれば、より一層、患者さんに自信を持って説明することが出来ますね。
番組で出ていたアプカリアン教授は「第一回痛みのミカタセミナー」でもご紹介させて頂きましたね。
番組でも慢性痛の定義を「3か月以上続く痛み」と定義されていましたが、これは、急性、慢性を痛みの期間で分けるのはあまり意味がなく、痛みの病態がどの状態にあるのかが重要になります。
急性でも、情動的、認知的側面が強い場合、侵害受容部位だけをケアしても痛みが長引く要因になります。
その場合は、早期に不安を取り除く、安心させる、希望を持たせるなどのケアが必要でしょう。
アプカリアン教授についてのうみかぜBLOG
http://umikaze-chiro.com/index.php...(2018/2/2の記事)
http://umikaze-chiro.com/index.php…(2017/5/9の記事)
ちなみに番組で最後の方でご紹介された倉田先生のオフセット鎮痛の研究は面白いですし、実際臨床では、あえて痛みを引き出しておいて、施術後、痛みの軽減を体験させることは、とても有効な手段で、これは下行性疼痛抑制の働きの改善と報酬系の活性化をもたらすものと考えられますが、もともと慢性疼痛の方はこれらの仕組みの働きが低下していることが多いのでそう簡単には治療に反応してくれかったりもします。
しかし、患者さんに「もしかしたら治るかもしれない!!」と期待希望をもって頂くことはとっても大切なことです。
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