臨床で細胞膜の話は必要ないでしょうか?
大阪コラボセミナーに参加された先生方には受講後にアンケートを書いて頂きました。
講義の満足度も5段階評価して頂きました。
ただ僕のパートだけ3/5と評価された先生がいらっしゃいました。
これはリアルな評価だと思います。
どういう理由で3なのかは想像でしかありませんが、ご自分の臨床で役に立つイメージが付かなかったんだろうなと。わざわざ遠くから来て頂き高いお金も頂いて、満足して頂けなかったのはほんと申し訳ないし、僕の意図するところが上手く伝わらず悔しい気持ちです。
ただこのような意見を頂くことでよりよいコンテンツに磨かれることはわかってます。
なので有難いです。
次回以降より満足して頂けるよう工夫していきます。
さて、臨床で細胞膜の話は必要ないでしょうか?
今日の新患さん 腰痛が1ヶ月くらい続いている。
以前は症状が出ても1週間で治っていたが今回はなかなか治らない。
1週間前に整形に行ってレントゲンを撮ったが異常なし。
シップとロキソニンを毎日飲んでいるが良くならない。
聞くところによると腰痛といっても、座ってから立ち上がる時だけの痛みとのことでした。
歩行時も安静時も痛くありません。
横になっている時も痛くありません。
炎症兆候もありません。
座っている状態から立ち上がる時に痛い動作痛のみです。
患者さんからしてみたら病院でもらう『痛み止め』は痛い時に飲めば何でも効きそうなイメージですが、痛みのミカタを学んだ先生ならおわかりですね?
安静時痛はなく、炎症兆候もない、座った状態から立ち上がる時の痛みに、ロキソニンはいったいどこに効くのですか?
見当違いもいいところです。
ロキソニンはCOXに作用してプロスタグランジンの産生を抑制する働きがありましたね。
そして、プロスタグランジンが産出されなければ、リン酸化も起きず膜電位の上昇を抑制できます。
そして膜電位の上昇を理解するには細胞膜の構造とイオン輸送の仕組みを理解しなくてはなりません。
患者さんに『痛み止めを飲み続けていた方がいいですか?』と聞かれたときどうしますか?
当然お医者さんの指示に従うことが前提ですが、明らかに作用機序にあっていない場合は病院の先生に相談するようお伝えしましょう。
生理学はつまらないかもしれませんが臨床で役立ちます。
次回以降も臨床に役立つ神経生理学のお話が出来ればいいなと思います。
第2回大阪ではリリカやサインバルタの作用機序や痛みのモジュレーション(調整)の仕組みを説明します。
ここでもやはり膜電位の理解が重要です。
興味がある先生は先日大阪セミナーを受講された先生方の受講後の感想もお読みください!!
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